BRICSとは?歴史や構成国、影響力について詳しく解説
近年勢いが増しているBRICS
近年の世界情勢は不安定さが増しており、従来のような二極化ではなく多極化へと向かっています。
今後どの国家が台頭するかは非常に予測が難しい状況ですが、その中で勢いが増しているのがBRICSの構成国です。
BRICSは21世紀以降に台頭した新興国の総称で、幅広い分野で影響力を高めています。
各国は日本との経済的なつながりも深く、今後は急速に経済が成長し、GDPでも世界的に大きなシェアを占めると言われています。
ただ、BRICSは21世紀になってから登場した概念で、政治・経済的にも不安定な国が多くあります。
将来的な予測も難しいため、今後の動向を注視する必要が出てくるでしょう。
また、構成国が変わる可能性もありますので、現在の状態が続くとも限りません。
BRICSの歴史や構成国を紹介
BRICSという言葉は知っていても、歴史や構成国が分からない方も少なくないでしょう。
また、構成国が世界に与える影響力や、将来の動向が気になっている方も多いと思います。
以下では、BRICSの歴史や構成国家の変遷、影響力などを解説します。
・そもそもBRICSとは?
BRICSは、数ある新興国の中でも特に広い国土を持ち、著しい経済成長が見込まれている国の頭文字を取った言葉です。
主にブラジル・ロシア・インド・チャイナ(中国)・南アフリカの5カ国を指します。
現在ではポピュラーな言葉となっていますが、最初に使い始めたのはゴールドマン・サックスです。
同社が2001年にレポートで用いて以来、今では世界中で使われています。
BRICSは日本との関わりの深い国が多く、特に経済的なつながりの深い国が中心です。
中でもエネルギーや資源の分野では強い影響力を持っており、世界情勢を左右することもあります。
・BRICSの歴史
BRICSは、先に触れたように21世紀初頭から使われ始めた言葉です。
しかし、元々はBRICsと呼称されており、ブラジル・ロシア・インド・中国の4カ国を指していました。
言葉が使われ始めた当初、南アフリカは該当していなかったのです。
BRICsを構成する4カ国は、2009年に初めて首脳会議を開催しました。
その後2011年に南アフリカが会議へ参加し、以降は5カ国体制となり、BRICSと呼ばれるようになりました。
また、2023年に開催された首脳会議では、BRICSを構成する5カ国以外の国家も会議に参加しています。
そして2024年からは、BRICSを構成する国家が大幅に増えることが決まっています。
・BRICSを構成する国家
BRICsは、上述したように当初はブラジル・ロシア・インド・中国の4カ国から成り立っていました。
次に南アフリカが正式に加盟してBRICSとなり、以来10年以上5カ国体制が続きました。
2023年に開催されたBRICSの首脳会議には、新たにエジプト・イラン・エチオピア・サウジアラビア・アラブ首長国連邦の6カ国が参加しています。
首脳会議では、これらの国の加盟が正式に認められ、2024年より11カ国体制となります。
BRICSは元々新興国で構成されていましたが、エチオピアなど発展途上国が参加したことで概念が変化しました。
今後も加盟国が増えるなど、構成国が変化すると考えられます。
・BRICSの影響力とは
BRICSは、経済規模で先進国より小さい国が多いものの、中国については例外といえます。
中国は世界最大級の人口と多くの資源を有するほか、世界2位の経済大国となっています。
その経済力や人口を武器に影響力を高めており、一帯一路構想を通して多数の国に影響を及ぼしています。
世界トップクラスの原油や天然ガス資源を有するロシアは、エネルギー分野で影響力を持っています。
同国がウクライナへ侵攻した後は資源価格が高騰し、天然ガスなどをロシアに依存していた欧州は大きな影響を受けたことをご存じの方も少なくないでしょう。
また、インドは人口が中国を超えたほか、経済が急速に発展しています。
今後も経済成長が続くのは明白で、新たなビジネス拠点として注目を集めています。
海外企業の投資も増えており、将来的には先進国のGDPを超える経済大国になると考えられています。
・BRICSは将来どうなる?
ただし、BRICSの構成国は政治的・社会的に不安定な国家が多く、先進国ほどの安定性はないのが実情です。
そのため、将来的にどう変化するかは誰にも予想ができません。
ただ、多くの国で経済成長が続いており、特にインドやブラジル、南アフリカなどは今後の発展が期待されています。
それに伴って、政治・社会的な安定性が増すことも考えられますので、どのような変化を遂げるかは未知数といえます。
・まとめ
BRICSという言葉をニュースで耳にする機会は増えましたが、全容が分からないという方も少なくないでしょう。
最初は4カ国で構成されていたものの、現在は10カ国を超える規模になっています。
今後も大きく変化する可能性がありますので、将来どうなるか予想はできません。
ただ、世界規模で影響力を増しているのは明らかで、日本にも少なからず影響を及ぼしているのは事実です。