イラクのディナールはどんな通貨?歴史や種類、購入方法を解説
イラクで使われている「ディナール」
イラクは古い歴史と伝統を持つ中東の国家で、古代メソポタミア文明が誕生した地域を含んでいます。
世界有数の産油国として知られる同国ですが、国内ではディナールという通貨が流通しています。
ディナールは紙幣と硬貨があるものの、イラクのインフレの影響によって硬貨はほとんど使われていません。
また、日本ではかなりマイナーな通貨のため、FXなどの投資は非常に難しいのが実情です。
一方、日本での流通量が少ない分希少性があるので、記念に購入・プレゼントするにはピッタリの選択肢といえます。
世界の通貨をコレクションしている方や、珍しい通貨に興味がある方は、購入してみるのもおすすめです。
イラク・ディナールの歴史や種類を紹介
イラクのディナールは20世紀に誕生した通貨で、以来現在までずっと使われ続けています。
ただ、通常の銀行では取り扱っていませんので、購入したい方は貨幣などの専門店を利用しましょう。
・イラクの通貨の歴史
現在のイラクではディナールが使われていますが、建国時からずっと使われていたわけではありません。
同国は第一次世界大戦中にイギリスの委任統治領となりましたが、当時はインドのルピーが使用されていました。
そのため、現在とは異なる通貨が利用されていたのです。
一方、インドのルピーは1931年まで使用され、その後は新たな通貨としてディナールが導入されました。
この時に導入されたディナールが、現在のイラクで流通している法定通貨です。
当時のレートは1ディナール=13.3ルピーで、イギリスのポンドとのペッグ制を導入していました。
しかし、1960年代にはドルとのペッグが始まり、1ディナール=3ドル程度で取引されていたようです。
ただ、その後ディナールはイラク政府が大量に発行した影響や物価のインフレにより、大幅なディナール安を経験しています。
・イラク・ディナールの紙幣の種類
現在、イラクのディナールは紙幣が中心に流通しています。
2003年に新ディナールが発行されたため、旧紙幣と新紙幣では額面が異なっています。
2002年まで流通していた旧紙幣は、4分の1ディナールから1万ディナールまで約10種類あります。
25・50・100ディナールは複数のデザインがあり、当時のサダム・フセイン大統領を図柄に採用しています。
ただ、現在ではほぼ流通していませんので、かなり希少性が高いといえます。
一方、2003年頃より流通した新貨幣は、50ディナールから25,000ディナールまで7種類があります。
新貨幣はさまざまな図柄が採用されており、表と裏で異なるデザインが楽しめます。
色も青や紫、赤や茶色などカラフルで、日本の円とは違ってバリエーションが多彩です。
・イラク・ディナールの硬貨の種類
イラクのディナールは紙幣が中心ですが、わずかながら硬貨も発行されています。
1931年頃には、補助通貨として1?200フィルス硬貨が発行され、1960年代頃まで使われていました。
その後イラク共和国となった後はフィルス硬貨が刷新され、その際に種類も整理されています。
ただ、1990年代にはフィルス硬貨の発行は止まり、現在では補助通貨としての役目を終えています。
1990年以降、しばらく硬貨は発行されませんでしたが、2004年にはディナール硬貨が追加されました。
その時に発行されたのは25ディナールと100ディナールの2種類で、イラクの地図が図柄に採用されています。
・イラク・ディナールを購入する方法
イラクのディナールは通貨としての地位が低く、日本国内の一般的な銀行では取り扱っていません。
ドルやユーロのようにメジャーな通貨ではありませんので、銀行などで円からディナールへ交換するのは不可能と考えておきましょう。
もしディナールを購入したいのであれば、外貨を専門に販売しているショップの利用がおすすめです。
外貨の専門店はマイナーな通貨も多数取り扱っており、イラクのディナールの購入・両替に対応しているところもあります。
ほとんどのショップは通販に対応していますので、お店まで足を運ばずに購入できます。
イラクのディナールに興味がある方は、ぜひ外貨の専門店を利用してみてはいかがでしょうか。
・イラク・ディナールを取引する際の注意点
日本では、イラクのディナールがほぼ流通しておらず、取引自体がほとんどありません。
しかし、中には将来価値が上昇すると触れ込み、ディナール紙幣を法外な値段で購入させようとする悪質業者も存在します。
2010年代前半には、マイナーな外国の通貨を買わせるトラブルが問題となりました。
もし専門店でイラクのディナールを購入する際は、複数の店舗の販売価格を比較し、適正価格をしっかりと見極めましょう。
まとめ
ディナールはイラクで流通している法定通貨ですが、世界的にはマイナーな通貨の一つに数えられています。
日本の銀行では両替が難しいため、欲しい方は専門店を利用するとよいでしょう。
イラクのディナールは紙幣が主流ですが、過去にはフィルス硬貨も発行されています。
希少価値が高いため、興味がある方はコレクションに加えてみましょう。