BRICSの構成国ブラジルの特徴とは?歴史や経済力について解説
・南米の大国である「ブラジル」
ブラジルと聞いた際、頭に浮かぶものは人それぞれ異なると思います。
サッカーやオリンピックなどスポーツを思い浮かべる方もいれば、経済の成長ぶりが頭に浮かぶ方もいるのではないでしょうか。
ブラジルは南米随一の大国で、GDPも世界で10位以内に入るほどの経済力を誇ります。
コロナ禍以降は成長にやや陰りが見られるものの、経済規模は南米でも圧倒的であり、BRICS構成国の一つに数えられています。
日本との関係も深いため、親しみを感じている方も少なくはないでしょう。
また、ブラジルは世界的に大きな影響力を有しており、いわゆる「グローバルサウス」における主要国としても認識されています。
BRICS構成国の中でも、特に今後の発展が期待される国家の一つです。
ブラジルの特徴・歴史
南米を代表する国家でもあるブラジルですが、大国という印象が沸かない方も多いのではないでしょうか。
しかし、ブラジルは経済面において日本の重要なパートナーであり、かつ長い歴史を有しています。
国土が大きいのはもちろん、それ以外の面でも大国と呼べるほどの影響力を有しています。
・ブラジルはどんな国?
ブラジルは約851万平方kmの国土を持つ国家で、ポルトガル語を公用語としています。
その国土の広さから隣接する国家も多く、アルゼンチンやコロンビア、ベネズエラなど10カ国と国境を接しています。
人口も日本より多く、広大な国土には約2億人が住んでいます。
経済規模も大きく、GDPは南米の国家の中で1位を誇るのはもちろん、世界的にも上位に入っています。
日本とのつながりも深く、最大都市のサンパウロには日系の移民がつくり上げた世界有数の日本人街があります。
・ブラジルの歴史
ブラジルの歴史は非常に長く、紀元前8000年頃には人々が住んでいたとされています。
しかし、16世紀に入るとポルトガルの植民地となり、19世紀に入るまでその状態が続きました。
そして1822年にブラジルは独立を果たし、1889年に共和制へと移行しています。
一方、1964年には軍事独裁政権が誕生しており、1985年に民政移管するまで続きました。
民政移管後は資源価格の高騰などによって経済が発展し、現在では世界有数の経済国となっています。
・ブラジルの国際的な影響力
ブラジルはラテンアメリカのリーダー的存在であり、南米のみならず世界的に大きな影響力を持っています。
特にBRICSを通して中国との関係を強化しており、年々経済的なつながりを深めています。
両国は地理的に離れているものの、経済面では重要なパートナーと位置づけているのでしょう。
一方、ブラジルは全方位外交を基本としており、先進国とのつながりも重視しています。
特に日本とは古くから親交があり、さまざまな領域で深い関係を構築しています。
・ブラジルと日本の関係とは?
日本とブラジルの関係は、1895年に国交を樹立して以来、120年以上もの間続いています。
戦後はブラジルに対して多数の対外援助を実施しており、通商関係を強化しています。
特に他国と比較して日系の移民が多く、子孫の日系ブラジル人も多数住んでいます。
反対に日本に住むブラジル人も多いことから、関係の深さが伺えます。
また、経済的なつながりも深く、数百の日本企業がブラジルに進出しています。
ただし、貿易そのものは決して盛んといえず、ブラジルの貿易全体に占める割合も低めです。
・ブラジルの経済について
ブラジルの経済規模は世界有数で、2022年はおよそ1.8兆ドルとなりました。
特に大きな割合を占めるのは工業分野で、先進国や他の新興国などからの投資が相次ぎ、南半球でも最大規模の経済力を有しています。
過去に紆余曲折はあったものの、現在でもブラジルの経済を支える重要分野となっています。
また、観光分野もブラジル経済の重要な屋台骨です。
ワールドカップやオリンピックが開催されたこともあり、多くの観光客がブラジルを訪れています。
特に欧米やアジア圏からの観光客が増えており、今後も成長が期待されています。
・ブラジルは成長途中にある新興国
ブラジルはBRICS有数の経済大国で、グローバルサウスにおいても大きな経済規模を誇ります。
一時期と比較して経済成長が緩やかになりつつありますが、それでも他の新興国と比較して底力があります。
特に海外からの投資は衰えておらず、安価な労働力と巨大市場へのアクセスを求めて進出する企業は少なくありません。
今後も同じように海外資本の流入が続けば、大きく経済成長する余地が残されています。
ブラジルはまだまだ成長過程にある国家、と言ってもよいでしょう。
まとめ
BRICSでもっとも経済規模が大きい国は中国ですが、ブラジルも世界有数の経済大国となっています。
特に南米では随一で、アメリカ大陸全体で見てもトップクラスの経済規模です。
特にBRICSの中では日本とのつながりが深く、日系移民やその子孫が多数暮らしています。
今後も経済成長が期待されるため、経済面で関係を強化していく可能性があります。