BRICS通貨の実現は難しいか?現状から見たBRICSの存在とは?
近年、話題となっているのが「BRICS」と呼ばれる言葉。
これは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字をとった用語であり、新興国として軒並み経済発展を遂げている5カ国として注目されています。
さて、そんなBRICSにおける情報の中で世界が注視しているのが、BRICS通貨と呼ばれる存在です。
BRICS通貨とは何か、さらに本当に実現するのか、今どのような動きになっているのか考えていきましょう。
●BRICS通貨は金本位制
BRICS通貨は未だ導入されている通貨ではありませんが、今後なんらかのきっかけで誕生する可能性が高い注目株として知られています。
今はまだ難しいといった判断がなされていますが、以前はBRICS+の年次首脳会議において金を裏付けとした新しい通貨の導入が示唆されていたこともあります。
BRICSは、冒頭でブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカといった5カ国で構成されるグループだとお伝えしましたが、厳密には、「BRICS+」といったかたちですでに40カ国以上で構成されるグループになっているとすら言われています。
これは、世界人口の約2/3に当たることから、新しい勢力になり得る存在としてある意味で恐れられているようです。
●米ドルからの脱却
世界人口の約2/3を占めるグループにまで拡大している、BRICS+。BRICS通貨を導入する狙いはどこにあるのでしょうか。
新しい通貨として金を基軸とした安定した通貨であることはもちろん、やはり狙いは米ドル脱却を狙っているといった指摘もあります。
しかし、一方で今後BRICSが大きく羽ばたくためのひとつの手段でしかなく、米ドル脱却といった小さな狙いではない部分も示唆されているようです。事実、近年の金における値上がりは顕著であり、ここ近年で最高値を更新し続けている状況にあります。
間違いなく、代替通貨としての役割を金は担っていることからも、今後BRICS通貨が発行されることで、金融業界にかなりの大きなインパクと与えることに間違いありません。
とはいえ、やはりBRICSを構成する主要5カ国の狙いから米ドルの王座を奪い取るといった目的は明らかであり、逆を言えばそういった狙いがあるからこそ、新しい通貨実現への動きが加速しているといった部分もあるのではないでしょうか。
●実現は難しいと言われている?
BRICS通貨は、たしかに驚異的ではあります。
しかし、投資を目的としている方たちから見れば、これほど面白い通貨は存在せず、爆発的な高騰を狙えるビットコインに変わる投資先と考えても過言ではないはずです。
しかし、近頃発表されている情報によるとBRICS通貨の実現はかなり難局を極めているといった報道もあります。
そして、8月22日から24日の3日間、南アフリカのヨハネスブルクで開催されたBRICS首脳会議では、その加盟国が拡大したことが決定されたものの、BRICS通貨が見送られてしまったのです。
2024年1月にアルゼンチン、エジプト、エチオピア、イランといった国々がBRICSグループに加盟することになったものの、昨今の金融不安などからBRICS通貨の導入実現は難しく、絵空事といった形で語られるようになってきてしまったのです。
さらに、問題はBRICSが拡大したことによって米ドルに危機的状況が起こるどころか、ドルは準備通貨の地位保持をしている状況であることも専門家たちがBRICS通貨実現の難しさを伝える懸念材料となっているようです。
米ドルがすぐに世界的な基軸通貨としての地位は失わないといった解釈など、なかなかBRICS通貨実現には時間がかかる可能性があります。
●BRICS通貨実現の可能性はある
BRICS通貨は今のところ実現が難しいとされていますが、今後どのように発展するかは未知数です。
さらに、加盟国が拡大していくということは、それら加盟国においては米ドルと同様に共通通貨になるわけで、国によってはその恩恵を受けることができると考えられるからです。
さらに、BRICSに加盟している国々が米ドルでの決済を減少させるような動きを取り、試験的に導入されるBRICS通貨でのやり取りを行うようになれば流通量も多くなり、結果的にBRICS通貨が本格的に進んでいく可能性があります。
しかし、なかなか難しいところは西側諸国と連携を緩めるわけではなく、あくまでグループとしてBRICSに加入する国々も少なくないところでしょう。
BRICS同士だけで経済が周り、自国にうまみがあるのであれば別ですが、やはり西側諸国との連携を図らずして成り立たない国は少なくありません。
どういった形でBRICS通貨が導入さるかは不明ですが、各国間の緊張感が続く中でのBRICS通貨導入、そしてその成功は長い目で見ていくしかなさそうです。
●まとめ
BRICSについては日々新しい情報が出回っており、その情報が先走っているものも珍しくありません。
大切なことはセンセーショナルな情報に流されるのではなく、あくまで根本的な問題を理解し、自分なりに解釈することです。
今後もまた、BRICSの動きを注視し続けていきましょう。