ジンバブエドル…国の数だけ通貨がありなかでこの国の通貨ほど壮絶なものはないかも…
ジンバブエはアフリカ大陸南部にある内陸国です。
長く政情不安が続いていた国であり、貧困国というイメージがあります。
間違いではないのですが、アフリカ南部の国でありながら熱すぎず寒すぎない温暖な気候であり、気候では日本よりも住みやすいといっていいでしょう。
アフリカというと蚊やハエが多いイメージですが、ジンバブエには不快な虫が少なく快適な環境です。
そのため、マラリアなどの風土病の心配もない、アフリカでも屈指の住みやすい国として知られています。
しかし、問題は経済であり、2008年にハイパーインフレが発生しました。
まだ20年も経っていないので記憶に新しい出来事でもあります。
そのハイパーインフレの影響で通貨として君臨していたジンバブエドルは廃止されています。
●ジンバブエの歴史

正式な国名は、ジンバブエ共和国です。
アフリカ大陸の南部の内陸に位置し、隣接する国は、南アフリカ共和国・ザンビア・ボツワナ・モザンビークです。
国土は日本より少し大きく、38.6万平方キロメートル。
2019年のデータになりますが人口は1,465万人で、ショナ族・ンデベレ族・白人といった民族で構成されています。
前述した通り、温暖な気候で住みやすい国です。
一方で、経済の規模は小さく、GNI(国民総所得)は同じく2019年のデータで、204億米ドル(約2兆2,000億円)。
おもな輸出品は、貴金属・タバコ・鉱石・ニッケル・鉄などとなっています。
産出される鉱物資源の輸出でジンバブエの経済が成り立っている構図がわかります。
長く英国の植民地となっており、独立したのは1980年と比較的最近であり、国家として45年の歴史しかありません。
そのときに初代首相となったのがムガベ氏であり、ほどなく大統領に就任。
ムガベ政権は2017年にクーデターが起きるまで長く政権を維持していました。
もっとも、クーデターが起こるくらいですから、国の運営はお世辞にも良好とは言えず、事実2008年にはハイパーインフレを防ぐことができませんでした。
ただし、インフレは2000年から始まっており、インフレが収まる2009年まで実に10年にわたってインフレが続いていたことになります。
●ジンバブエの通貨

ジンバブエの現在の通貨は、2019年に導入された「RTGSドル」です。
しかし、RTGSドルも導入間もなく年300%を越えるハイパーインフレーションを発生。
これは、一時的な紙幣不足によるものでしたが、思った以上にインフレのスピードが早く、米ドルの流通が暫定的に認められることとなりました。
さらに2024年4月に金を裏付けとする「ジンバブエ・ゴールド」が導入されて現在に至っています。
1980年の独立以来、国内では有力な産業が鉱物資源及び農産物しかありませんでした。
新しく産業を興す必要がありながら、間もなくインフレに見舞われ、ジンバブエは独立以来、常にインフレに悩まされた歴史となってきたのです。
そのため、通貨については通貨の桁数を切り捨てる「デノミネーション」が数回行われており、それがさらに経済不況を巻き起こしました。
旧ジンバブエドルが廃止されたのは2015年のことです。
もっとも、ハイパーインフレがもっとも激しかった2009年にはその流通を停止しています。
また、旧ジンバブエドルやRTGSドルといった自国通貨がありましたが、厳密には複数外貨制を導入しており、米ドルの他に南アフリカランドが使われています。
これは、長いインフレで刷っても刷っても紙切れ同然となるジンバブエドルに変わる通貨を求める、ジンバブエ国民にとっては緊急避難用であったことは間違いありません。
発展途上国でハイパーインフレが起こった際は、常に安定している世界の基軸通貨である米ドルが威力を発揮します。
もちろん、隣国の信頼できる通貨、ジンバブエにとっては南アフリカランドであり、この通貨もハイパーインフレの際に大きな力となったのは言うまでもありません。
●ジンバブエのハイパーインフレ

インフレは物価が上がることを意味しています。
インフレ自体は悪いことではなく、前年に比べて2%程度のインフレ水準は望ましいものとされており、日本を例にとると日本銀行は消費者物価が前年比で2%上昇することを目標としています。
物の値段が上がることは、賃金の上昇も意味しているので経済成長には欠かせないものです。
一方でインフレのさらに上を行くハイパーインフレになると、物価上昇率が非常に高い状況となります。
2008年にジンバブエで起こったハイパーインフレは年率220万%の物価上昇を引き起こしました。
インフレになるとお金の流通が追いつかなくなるので、紙幣を増刷しがちで、それがインフレをさらに悪化させる結果となったのです。
このときのハイパーインフレの原因ですが、慢性的な政情不安のうえに時の政権の弾圧的な強権政策、白人などの旧支配層から土地を強制収容したことで農業の崩壊を招いたことが大きな原因とされています。
この政策によって、物の供給が不足することとなり慢性的なインフレを引き起こし、さらなるハイパーインフレに加速していったのです。
(あくまで個人の見解ですので、情報の活用や真偽については自己判断でお願いします)
注
1)資産防衛NOTE ~人道支援への道~ さんから許可をもらって投稿しています。